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20年前までは40代がピークだった子宮頸がんは、現在、30代でその発症のピークを迎える。晩婚化も相まって、この世代はまさに出産年齢。 自分の命を守るためだけでなく、これから生まれてくるべき命を守るためにも、実際の治療についての知識を深めておこう。

★この特集は「アステン」(静岡新聞社刊)2010年10月号に掲載されました。

 子宮頸がんの治療は、大きく分けて外科的手術、放射線治療、化学療法が3本柱。どれを行うかは進行具合によって異なる。
 まずは早期発見できた場合。前がん段階や0期(がん細胞がまだ上皮内に留まり、奥まで浸潤していない状態)はほとんどの場合、円錐(すい)切除術という方法がとられる。これは子宮の入り口部分を円錐状に切り取る手術で、子宮本体は温存できる。今後子どもを産むことも可能で、5年生存率はほぼ100%に近い。またほとんど副作用がなく、患者の負担が軽い。
 続いてIa期(組織診によってのみ診断できる浸潤がん)では、一部、円錐切除する場合もあるが、一般的には単純子宮全摘術(子宮部分のみを取り除くこと)を行う。またIb期(臨床的にIa期を超えるもの)からⅡb期(がんが骨盤壁まで広がっていないもの)では広汎(こうはん)性子宮全摘術となる。この場合、周囲のリンパ節まで取り除くため、術後は排尿障害や足のむくみなどの後遺症が出る。ちなみに、検診ではなく自覚症状が出てから診察に訪れる人は、大抵Ib期以降まで進行しているという。5年生存率はIb期で約80%、Ⅱ期で約70%だ。
 Ⅲ期(がんが骨盤壁まで広がったもの)やⅣ期(がんが直腸など周囲の臓器にまで広がったもの)となると、外科的手術で病巣を取り除くのは不可能となるため、放射線治療が中心となる。あるいは、抗がん剤治療を併用した化学放射線治療というのが一般的だ。5年生存率はⅢ期で50%を切り、Ⅳ期では17%程度となっている。

 

医学の進歩により、新たな治療法も研究が進められている。初期の段階で適用されるPDT(光線力学療法)もその一つ。腫瘍に多く集まる光感受性物質を投与し、その部分にレーザーを照射するというもの。県内では現在、浜松医科大学で行われている。円錐切除した場合、流早産率が多少上がることもあるが、この方法ならその心配はない。ただし、難点もある。円錐切除なら入院は5日程度で済むが、PDTの場合は光過敏症の副作用があるため、ほぼ1ヵ月入院が必要で、最初の1週間は光を遮断した暗い部屋に入院する必要がある。これを負担と感じる人も多い。  Ⅲ期、Ⅳ期に適用される新治療法は、重粒子線治療だ。放射線が効きにくい腺がんにも効果が高く、今後は広がっていく可能性が高い また、現在、日本では外科的手術が中心となるIb期からⅡb期の患者にも放射線治療が効果を発揮する場合がある。海外では合併症の可能性のある外科手術を避け、放射線治療を選択するケースが多いという。県立静岡がんセンターでは、2002年の開院以来、お互いのメリット・デメリットを知ってもらった上で、患者に選択してもらう方式を取っている。  「5年生存率は、実は20年前からそれほど変わっていないんですよ」と語るのは、静岡がんセンター婦人科部長の平嶋泰之医師。これらのデータはⅢ、Ⅳ期の化学放射線治療が始まる前のもので、2000年に導入されて以来、生存率はやや上がったと推測されるものの、やはり進行した子宮頸がんでは、命の危険を常に伴うという。

 

それだけではない。「その方の命が助かっても、妊娠・出産適齢期に子宮を失ったことで、将来生まれるべき命が生まれなくなる。これは社会的な損失なんです」
(平嶋医師)。
予防ワクチンと検診、HPV検査によって子宮頸がんは撲滅できる、と言う平嶋医師の言葉は重い。

検診で早期発見を

がんを治療して治すのではなく、なる前に防ぐという姿勢で、今日から子宮頸がんに向き合ってみたい。 (出典:国立がん研究センターがん対策情報センター)

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