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s_v04_1.png 年間で15,000人が罹患するといわれる子宮頸がん。医療は日々進化し、生存率なども高まってきている一方で、 心のケアを必要とする患者たちは多い。今回は、患者の支援やサポートについて特集します。

★この特集は「アステン」(静岡新聞社刊)2010年12月号に掲載されました。

検診で早期発見を

 静岡県で生まれ、活動を続ける「女性特有のガンのサポートグループ オレンジティ」。発起人で、現在理事長を務める河村裕美さんは、11年前に子宮頸がんの宣告を受け、手術をした"サバイバー"の一人だ。現在、年4回の定例会と県東部・中部・西部・東京での月1回の「おしゃべりルーム」を開催している。
 「がんになって最初にしなければならないのは、自分の状況を把握することなんです」と話すのは河村理事長。同じ病気にかかった仲間と会うことで、自分の状況を客観的に見ることができ、気持ちを整理することができるのだという。「術後は不安におそわれます。後遺症は医療ミスが原因ではないかと疑ったり、家族との関係がギクシャクして落ち込んだり。それが、自分だけではないと知ることで、自分の状況と折り合いをつけることができるんです」
 現在、この「おしゃべりサロン」には毎回10名前後が参加している。患者同士だからこそ、医療者にはできないリアルな悩みや改善方法などについて、お互いに話し合うことができる。また、"先輩"患者と触れ合うことで、自分の将来についても具体的なイメージができるようになるという。この会には、時に術後の患者のみでなく、治療を控えた患者も参加することがある。結婚予定の彼同伴で訪れた女性は、この会に参加したことによって、彼と向き合うことができ、今後について前向きな話ができたという。

検診で早期発見を

 河村さんは「患者さんは受け止める力を持っています。だからこそ、こういった場が必要なんです」と話す。症状を緩和させたり、今ある問題を解決する場とはなり得ないけれど、心の整理を支援するセルフヘルプグループとして、大きな役割を担っているのだ。

 

検診で早期発見を

 活動をはじめ多くの患者と接してきた河村さんは、残念ながら亡くなる患者にも多く出会ってきた。「治療にはお金と時間がかかります。そのために命をあきらめてしまう人もいるんです」という衝撃的な話をしてくれた。例えば、病院が近くにない人は、治療を受けるために長距離を通わなければならない。自営業だと仕事を休まざるを得ず、それは収入がなくなることを意味する。そのことを負担に思い、治療を断念するケースがあるのだという。「そのためにも、保険に入るなど、健康なうちからリスクマネジメントすることは重要です」
 これ以上患者を増やさないために自分たちに何ができるのだろう、と考え、次に取り組んだのは、啓発活動だった。研修でアメリカに渡った際、目にしたのが、子宮頸がんを表すティール&ホワイトリボン。これを子宮頸がんの検診、予防のシンボルとして日本国内でも広めようと、2009年に「ティール&ホワイトリボンプロジェクト」を設立し、各地で啓発活動を積極的に行っている。
 もう一つ、河村さんが患者となって気付いたことがあるという。それは、知らない弱者を守るということの大切さ。これから風邪やインフルエンザがはやる時期となるが、抗がん剤治療をしている人は、免疫力が低下しているため、普通の元気な人が自分では大したことがないと思っている風邪でも、たまたま近くに抗がん剤治療中の患者がいれば、その人の命を危険にさらすことになるかもしれない。「自分がインフルエンザにならないためだけでなく、周りにうつさないためにも、予防接種は受けてほしい」と河村さんは切実に訴える。
 まずは自分の体に関心を持つこと。そして、周りの人の健康に関心を持つこと。そして、みんなが健康で過ごせる社会をつくっていきたい。

 

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